ベンチプレスが伸び悩む原因は「補助種目」の選び方にある
ベンチプレスの重量が停滞して悩んでいませんか? 多くのトレーニーが「とにかくベンチプレスをやり込む」というアプローチを取りますが、実はそれだけでは弱点が放置されたまま伸び悩みが長期化するケースが少なくありません。
ベンチプレスは大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋の3つの筋群が協調して動く多関節種目です。このうちどこか一つでも弱い部分があると、その箇所がボトルネックとなりMAX重量の伸びを阻害します。つまり、自分の弱点を正確に把握し、それを補う補助種目を適切に選ぶことが停滞を打破する最短ルートなのです。
本記事では、ベンチプレスのスティッキングポイント(挙上が最も困難になるポイント)別に、本当に効果のある補助種目を12種目厳選して紹介します。セット数・レップ数の目安やプログラムへの組み込み方まで解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
まず確認!スティッキングポイントで弱点を診断しよう
補助種目を選ぶ前に、まず自分の弱点を正しく診断することが重要です。ベンチプレスの挙上動作を3つのフェーズに分けて考えましょう。
| フェーズ | バーの位置 | 主に働く筋群 | 弱い場合の典型的症状 |
|---|---|---|---|
| ボトム(胸〜数cm上) | 胸に近い位置 | 大胸筋(ストレッチポジション) | 胸からバーが離れない・潰れる |
| ミッドレンジ(中間) | 動作の中盤付近 | 大胸筋+三角筋前部 | 途中で失速して止まる |
| トップ(ロックアウト付近) | 腕を伸ばしきる手前 | 上腕三頭筋 | 押し切れずに戻される |
自分がどのフェーズで詰まりやすいかを意識することで、以下で紹介する補助種目の中から最も効果的なものをピンポイントで選べるようになります。
【ボトム強化】胸から挙がらない人向けの補助種目4選
ボトムポジションで潰れやすい方は、大胸筋のストレッチポジションでの筋力や胸椎の可動域が不足している可能性があります。以下の種目で重点的に鍛えましょう。
1. ポーズベンチプレス(Paused Bench Press)
通常のベンチプレスで胸の上にバーを2〜3秒静止させてから挙げるバリエーションです。反動(バウンス)を排除することで、ボトムポジションでの純粋な筋力が鍛えられます。パワーリフティング競技でも試合と同じ動作パターンで練習できるため、最も実戦的な補助種目と言えます。
- 目安:メインセットの80〜85%で3〜5レップ × 3〜4セット
- ポイント:静止中もアーチとレッグドライブを維持する
2. ダンベルベンチプレス
ダンベルはバーベルよりも可動域が広く取れるため、大胸筋のストレッチ負荷を高められます。また、左右独立して動くことで筋力の左右差の修正にも役立ちます。
- 目安:8〜12レップ × 3〜4セット
- ポイント:ボトムで1秒止めるとストレッチ刺激が増す
3. ダンベルフライ
大胸筋のストレッチポジションに特化したアイソレーション種目です。ベンチプレスの補助として行う場合は、重量を追いすぎず、しっかりストレッチを感じる範囲でコントロールすることが重要です。
- 目安:10〜15レップ × 3セット
- ポイント:肘の角度を一定に保ち、肩関節への負担を減らす
4. スポトベンチプレス(Spoto Press)
バーを胸に着けず、胸の2〜3cm上で一時停止して押し返すテクニックです。ポーズベンチに似ていますが、胸に着けない分だけボトム付近で筋肉にかかるテンションが途切れず、大胸筋への負荷がより大きくなります。
- 目安:メインの75〜80%で3〜5レップ × 3セット
- ポイント:完全に停止してから挙げる(慣性を使わない)
【ミッドレンジ強化】途中で失速する人向けの補助種目4選
中間地点で止まってしまう方は、大胸筋の収縮力や三角筋前部の押す力が不足しているケースが多いです。
5. インクラインベンチプレス
角度を30〜45度に設定することで、大胸筋上部と三角筋前部に強い負荷がかかります。ベンチプレスのミッドレンジで関与が大きい筋群をダイレクトに鍛えられるため、停滞打破に非常に有効です。
- 目安:6〜10レップ × 3〜4セット
- ポイント:角度は30度がベンチプレスへの転移効果が高いとされる
6. ディップス
自重で大胸筋下部・三角筋前部・上腕三頭筋を同時に鍛えられる優秀な種目です。上半身のスクワットとも呼ばれ、プレス系の総合力を底上げできます。体重が軽い方や自重では負荷が足りない方は、ディッピングベルトで加重しましょう。
- 目安:自重または加重で6〜12レップ × 3〜4セット
- ポイント:体をやや前傾させると大胸筋への刺激が増す
ディップスに使えるおすすめのディッピングベルトをご紹介します。
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7. クローズグリップベンチプレス
手幅を肩幅程度に狭めて行うベンチプレスのバリエーションです。通常のベンチプレスよりも上腕三頭筋と三角筋前部への負荷が大きくなり、ミッドレンジからトップにかけての押す力を強化できます。
- 目安:6〜8レップ × 3〜4セット
- ポイント:手幅を狭めすぎると手首に負担がかかるため、肩幅程度が推奨
8. OHP(オーバーヘッドプレス)
立位でバーベルを頭上に押し上げる種目です。三角筋前部の筋力を劇的に向上させるだけでなく、体幹の安定性も鍛えられます。ベンチプレスとは動作パターンが異なりますが、プレス系の基礎筋力を底上げする種目として多くのパワーリフターがプログラムに組み込んでいます。
- 目安:5〜8レップ × 3〜4セット
- ポイント:腰を反りすぎないよう、腹圧をしっかりかける
【トップ・ロックアウト強化】押し切れない人向けの補助種目4選
ロックアウト付近で潰れる方は、上腕三頭筋の筋力不足が主な原因です。以下の種目で三頭筋を集中的に強化しましょう。
9. フロアプレス
床の上に仰向けになり、肘が床に着く位置からバーベルやダンベルを押し上げます。可動域が制限される分、ロックアウト局面に特化して鍛えられる優れた種目です。肩への負担も少ないため、肩を痛めている方のベンチプレス代替種目としても有効です。
- 目安:5〜8レップ × 3〜4セット
- ポイント:肘が床に着いたら完全に力を抜かず、テンションを保つ
10. JMプレス
クローズグリップベンチプレスとスカルクラッシャーの中間のような動きで、バーを顎〜鎖骨あたりに向かって下ろし、肘を前方にスライドさせながら押し上げるテクニックです。上腕三頭筋への負荷が非常に高く、パワーリフターの間で人気のある種目です。
- 目安:6〜10レップ × 3セット
- ポイント:フォームの習得に時間がかかるため、軽い重量から始める
11. トライセプスエクステンション(スカルクラッシャー)
上腕三頭筋のアイソレーション種目の代表格です。EZバーやダンベルを使い、肘の伸展動作を集中的に鍛えることで、ロックアウトの筋力を直接的に向上させます。
- 目安:8〜12レップ × 3〜4セット
- ポイント:肘の位置を固定し、肘関節のみを動かす
肘への負担を軽減しながらトライセプスエクステンションを行うには、EZバーの使用がおすすめです。
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グリップ部分のカーブが手首の自然な角度に合い、肘や手首への負担を軽減してくれます。スカルクラッシャーだけでなくカール系の種目にも使えるため、ホームジムにもおすすめです。
12. ボードプレス / ピンプレス
胸の上にボードを乗せて可動域を制限する「ボードプレス」や、セーフティピンを高い位置に設定してトップレンジのみ行う「ピンプレス」は、ロックアウト局面で高重量を扱うことができます。神経系の適応を促し、重い重量に対する自信をつけるのにも役立ちます。
- 目安:メインの90〜100%以上で1〜5レップ × 3〜5セット
- ポイント:通常のベンチプレスのフォーム(アーチ・グリップ幅等)を崩さずに行う
補助種目のプログラムへの組み込み方
補助種目は闇雲に詰め込めばいいわけではありません。効果を最大化するための組み込み方のポイントを解説します。
優先順位のつけ方
- メインリフト:ベンチプレスそのもの(最も重要)
- 第1補助種目(コンパウンド系):ポーズベンチ、クローズグリップ、インクラインなど、バーベル・多関節の種目を1〜2種目
- 第2補助種目(アイソレーション系):フライ、トライセプスエクステンションなど、弱点部位に特化した種目を1〜2種目
週間スケジュール例(週2回ベンチプレスの場合)
| 曜日 | メニュー例 | 目的 |
|---|---|---|
| 月曜(高強度日) | ベンチプレス → ポーズベンチ → ダンベルフライ | 筋力向上(低レップ・高重量) |
| 木曜(ボリューム日) | クローズグリップBP → インクラインDB → スカルクラッシャー | 筋肥大(中レップ・中重量) |
補助種目の入れ替え頻度
補助種目は4〜6週間を目安に入れ替えるのが効果的です。同じ種目をずっと続けると体が適応してしまい、刺激が弱くなります。ただし、毎週コロコロ変えるのも進捗が追えなくなるため避けましょう。
補助種目の効果を最大化するための注意点
せっかく適切な補助種目を選んでも、以下の点をおろそかにすると効果が半減します。
フォームの質を最優先する
補助種目はメインリフトの弱点を補うために行うものです。フォームが崩れた状態で高重量を扱っても、狙った筋群に負荷がかからず意味がありません。「メインリフトより軽い重量で丁寧に」が基本です。
補助種目のやりすぎに注意
補助種目を増やしすぎると、回復が追いつかずメインのベンチプレス自体のパフォーマンスが低下します。1日のトレーニングで補助種目は合計2〜3種目に留めるのが目安です。特にナチュラルトレーニーは回復力に限りがあるため、量より質を重視しましょう。
栄養と休養も補助種目の一部
いくらトレーニングを最適化しても、十分なタンパク質摂取(体重1kgあたり1.6〜2.2g程度)と睡眠(7〜9時間)が確保できていなければ、筋力は伸びません。補助種目にこだわる前に、まずは食事と休養を見直すことも重要です。
まとめ|弱点を知り、正しい補助種目でベンチプレスを伸ばそう
ベンチプレスの補助種目は、自分のスティッキングポイントに応じて選ぶことで最大の効果を発揮します。最後に要点を整理します。
- ボトムが弱い → ポーズベンチ、ダンベルベンチ、フライ、スポトプレス
- ミッドレンジが弱い → インクラインベンチ、ディップス、クローズグリップBP、OHP
- トップが弱い → フロアプレス、JMプレス、スカルクラッシャー、ボードプレス
- 補助種目は1日2〜3種目、4〜6週ごとに入れ替えが効果的
- フォームの質を最優先し、やりすぎに注意する
まずは自分がどのフェーズで潰れるかを観察するところから始めてみてください。弱点を的確に補強すれば、停滞していたベンチプレスのMAX重量は必ず伸びていきます。
よくある質問(FAQ)
ベンチプレスの補助種目は何種目くらいやればいいですか?
1回のトレーニングで2〜3種目が目安です。メインリフト(ベンチプレス)の後に、コンパウンド系の補助種目を1〜2種目、アイソレーション系を1種目の構成がバランスよくおすすめです。やりすぎは回復を妨げ、メインリフトのパフォーマンス低下につながります。
ベンチプレスの補助種目を行う順番はどうすればいいですか?
基本的には「多関節種目(コンパウンド)→ 単関節種目(アイソレーション)」の順番で行います。例えば、ベンチプレス → クローズグリップベンチプレス → トライセプスエクステンションの順です。疲労が少ない状態で高重量の種目から行うことで、安全かつ効果的にトレーニングできます。
初心者にもおすすめのベンチプレス補助種目はありますか?
初心者にはダンベルベンチプレスとダンベルフライがおすすめです。どちらもフォームが比較的シンプルで、大胸筋を効果的に鍛えられます。また、ディップスも自重で行えるため取り組みやすく、プレス系の総合力を養うのに役立ちます。
ベンチプレスのMAXが伸びない場合、補助種目以外に見直すべき点はありますか?
はい、いくつかの点を見直すべきです。まずフォーム(足の位置、アーチ、グリップ幅など)を再確認しましょう。次に、プログラム全体のボリュームと強度のバランスが適切か検討してください。さらに、タンパク質摂取量(体重1kgあたり1.6〜2.2g)や睡眠時間(7〜9時間)など栄養・休養面の改善も重要です。
ポーズベンチプレスと通常のベンチプレスはどう使い分ければいいですか?
通常のベンチプレスをメインリフトとして行い、ポーズベンチプレスは第1補助種目として取り入れるのが一般的です。ポーズベンチはメインの80〜85%程度の重量で行い、ボトムポジションでの筋力とフォームの安定性を高める目的で使います。パワーリフティング競技者の場合は、試合でポーズが必要なため、メインリフト自体をポーズ付きで行うこともあります。
ダンベルフライはベンチプレスにどのような効果がありますか?
ダンベルフライは大胸筋のストレッチポジションに特化した種目です。ベンチプレスのボトムポジション(バーが胸に近い位置)での筋力強化に直結します。また、大胸筋を単独で刺激できるため、ベンチプレスで大胸筋をうまく使えていないと感じる方のマインドマッスルコネクション改善にも効果的です。
補助種目はどのくらいの期間続ければ効果が出ますか?
一般的には、同じ補助種目を4〜6週間継続することで効果を実感できるケースが多いです。それ以降は体が適応するため、別の種目に入れ替えて新しい刺激を与えましょう。ただし、効果を正確に判断するために、補助種目の重量やレップ数を毎回記録しておくことをおすすめします。

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